ソニー(SONY)とパナソニック(Panasonic)は、いずれも日本を代表するテレビメーカーです。
かつては多くの日本メーカーがテレビを開発・販売していましたが、世界のテレビ市場の競争激化により経営不振に陥り、多くが撤退あるいは海外メーカーに買収されました。
ソニーとパナソニックは、そんな業界で生き残っている貴重な日本メーカーです。「テレビを買うなら日本メーカーがいい!」という方にとっては、最後の砦とも言える貴重な存在です。
「ソニーとパナソニックのテレビのどっちがいいのか?」ということも、結構悩みますね。
どちらも良いテレビですので基本的には好きな方を選べばよいですが、もう少し詳しく理解した上で選びたいという方向けに以下に解説します!
2024年10月時点でおすすめの両社のテレビを1つずつ挙げるとすると、以下の2機種がおすすめです!
ソニーブラビアXRJ-55A80L
パナソニックビエラTV-55Z90A
さらに詳しく解説します。
買ってはいけないテレビメーカーについてこちらの記事で紹介しています。

ソニーとパナソニックはどっちがいいテレビなのか?
ソニーとパナソニックは、ブラウン管が主流であった時代からテレビの研究開発・製造・販売を進めてきた歴史あるテレビメーカーです。特にブラウン管が主流の時代には、世界のテレビ市場で存在感がある有力メーカーでした。
その後、ブラウン管のテレビから液晶・有機ELのテレビの時代に移行し、韓国メーカーや中国メーカーが躍進する中でテレビ事業が苦境になり、大規模なリストラを進め、現在に至っています。
これまで継続してテレビの研究開発を続けてきましたので、技術力は高く、両者とも高性能な上位機種が事業の中核になっています。
したがって、ソニーとパナソニックの上位機種は、現在販売されている他社を含めたすべてのテレビの中でも優れたテレビであることは間違いありません。
さらに長年日本のユーザー向けにテレビを開発してきていますので、日本人の好みを熟知した使いやすく便利なテレビを販売しています。
つまり、ソニーとパナソニックの上位機種ならば「良いテレビ」ですので、どちらを選んでも失敗ということはないでしょう。
それでも、当然のことならが両社に違いはありますので、テレビの方式と価格などについてさらに詳しく述べます。
QD-OLEDはソニー!パナソニックはない!
2024年時点で、ディスプレイ業界で注目を集めている最新の方式のパネルは、QD-OLEDパネルです。
これはSamsung Displayが開発し、日本国内ではソニーとシャープに供給しているもので、青色有機ELパネルの前面に赤色・緑色の量子ドットを塗布した構造になっています。
RGBの各サブピクセルにおいて、青色は有機ELの発光をそのまま使い、赤色と緑色は有機ELの青色光を量子ドットで変換して作り出しています。
このようなQD-OLEDの方式による優位性があります。それは従来のカラーフィルター方式の有機ELパネル(WOLED)に比べて高輝度領域での色域が広いことです。
例えばツタンカーメンの黄金のマスクのように、輝くような金属の色などが美しく表現できます。白色ではなく、何らかの色があり、非常に明るいものなどが画面内にあると、従来のWOLEDでは白っぽくなってしまうのに対し、しっかり綺羅びやかな色が表現できるわけです。
また画面の最前面に近いところで各色の光を放射状に出しているため、斜めから見ても色がほとんど変化せず、広色域です。
2022年に発売された1つ前のモデルは、かなり安くなっています!
2024年時点では、パナソニックはQD-OLEDを製品化していません。
したがって、QD-OLED方式の有機ELテレビが欲しければソニーブラビアを選ぶしかありません。
Mini LEDはソニーがリード!パナソニックも追随!
ソニーは、2024年モデルではミニLEDテレビをブラビアのラインアップのフラッグシップモデルBRAVIA 9としました。
ソニーは、2022年モデルからミニLEDテレビX95Kを発売し、改良を繰り返して技術を磨き上げてきました。
もともとミニLEDバックライトの制御技術は世界をリードしており、X95Kの後継機種X95L(2023年)、BRAVIA 7(2024年)においてもトップレベルです。
パナソニックはソニーに追随して2023年モデルでミニLEDテレビMX950を発売しました。2024年にはW95Aを発売しました。
価格はソニーの方がかなり高いのですが、技術的には先行するソニーの方が定評があります。
パナソニックは有機ELテレビに重点を置いており、ソニーはミニLEDテレビをフラッグシップモデルにしているわけですので、ある意味妥当な評価でしょう。
マイクロレンズ有機ELはパナソニック!ソニーはない!
ソニーがQD-OLEDパネルを搭載した有機ELテレビを発売しているのに対し、パナソニックはマイクロレンズ有機ELを搭載したテレビをフラッグシップモデルZ95Aとして発売しています。
テレビ用大型有機ELパネルは、LG Displayがほぼ独占的に開発・供給しているもので、パナソニックに限らずソニーも供給を受けています。
LG Displayは、最初の大型テレビ用有機ELディスプレイパネルに続いて、積極的に開発を進めており、振り返ると驚くほど有機ELディスプレイパネルの性能を向上させてきました。
そして2024年モデルのパナソニックビエラの有機ELテレビのフラッグシップモデルZ95Aに搭載されたマイクロレンズ有機ELは、これまでのLG DisplayのWOLED開発の集大成とも言えるパネルで、マイクロレンズだけでなく様々な技術がふんだんに使われている超高性能パネルです。
パナソニックは、これまで搭載してきたカラーフィルター方式の有機ELパネル(WOLED)のある意味「究極」とも言える有機ELディスプレイパネルを選び、フラッグシップモデルに搭載したわけです。
従来のWOLEDに比べると高輝度・高コントラスト、優れた色表現力となっています。
ソニーブラビアにはマイクロレンズ有機ELパネルを搭載したモデルはありませんので、マイクロレンズ有機ELパネル搭載のテレビならばパナソニックということになります。
ソニーとパナソニックのテレビの2024年の動向
2022年頃から時代の転換点を感じさせるような大きな出来事があり、世界情勢も激動の状況にあります。本記事で1つ1つの因果関係を詳しく説明することはできませんが、テレビメーカーにも様々な影響を及ぼしています。
以下、2024年のソニーとパナソニックそれぞれについて見てみましょう。
ソニーは値上げ!
ソニーは、前述のQD-OLED搭載有機ELテレビやMini LEDバックライト搭載液晶テレビを開発し、新しいシリーズとして有機ELテレビと液晶テレビのフラッグシップモデルとして発売しました。
これらはそれぞれ有機ELテレビと液晶テレビとしては最高画質レベルの製品に仕上がっていることは間違いありませんが、注目すべきは大きく値上がりしたことです。
最新の技術が投入されていますので、単純にこれまで販売していたものを値上げしたわけではありません。それ相応の価値が追加されていることは間違いありませんが、それにしてもラインアップのハイエンドモデルを大きく値上げしています。
こんなところにテレビメーカーの厳しい状況が感じられます。テレビメーカーの業界は過当競争で、価格競争に陥りやすいです。そのため、最近は収益悪化に苦しんでおり、テレビの平均販売価格を少しでも高くすることが極めて重要な課題と考えられます。
従来と同じものを単純に値上げすることは難しいために、新たな価値を追加して値上げを試みるという戦略になっているようです。
それでも業界の過当競争&価格競争という構造が簡単に変わるわけでもなく、ソニーの2024年モデルの価格も発売開始時の価格からかなり下がっています。高額のモデルほど販売数量は少ないので、厳しい展開が続くと予想されます。
パナソニックは価格コントロール!
業界でのパナソニックの置かれている状況はソニーと同様ですが、テレビ事業の状況はソニーよりも厳しいです。前述のQD-OLED搭載有機ELテレビが発売されなかった理由は公表されていませんが、研究開発の縮小が行われているような印象を受けます。
すでに報道されているように、パナソニックビエラの低価格帯の機種は中国のTCLに委託する方向で進められているようです。つまり、低価格帯の機種の開発からは撤退ということになります。
また一部では液晶テレビの開発からも撤退し、有機ELテレビのみに注力するとも言われていますので、どこまで撤退し、何を継続するのか気になるところです。
もう1つの気になる動きは、テレビの販売価格をコントロールする仕組みに変え始めたことです。
有機ELテレビのいくつかの機種は、家電量販店などである程度の価格で販売されており、パナソニック側の了承なしに値下げできないような契約となっているようです。
すべての販売店で同じようなルールが適用されているのか不明ですが、パナソニックが価格コントロールしている販売店では値下がりせずに販売されています。
これは衝撃です!
テレビは家電量販店で販売される数量が多く、販売店でもライバルとの競争のために値引きする努力をしていました。そのため、発売開始後に価格が下がっていくことが普通です。
その価格動向とまったく異なり、パナソニックの有機ELテレビは価格をパナソニック側がコントロールしているわけです。その価格は、パナソニックのサイトで直接販売している価格に近いです。つまり、完全に定価販売というわけでもなく、わずかな価格を調整する幅はあるようです。
そしてこの販売価格が、ライバルメーカーの値下がり後の価格と比べるとかなり高いです。この戦略転換が、パナソニックのテレビ事業にどのような結果をもたらすのかまだわかりません。
ソニーとパナソニックのテレビのおすすめ!
ソニーブラビアのおすすめ
ソニーブラビアのハイエンドモデルが欲しい場合は、前述のA95KシリーズとX95Kシリーズが候補となります。これらは間違いなく高画質・高機能なテレビで、これらを買える予算があるのであればおすすめします。
しかし、一般的な感覚としては「高い(=高額)」ですね。前述のような背景で、フラッグシップモデルとして設定されているので当たり前です。
もし、リーズナブルな価格で高画質・高機能なテレビが欲しいならば、「型落ち」の2021年モデルをおすすめします!
もっともお買い得なのは、2023年モデルの液晶テレビX90Lシリーズです。ソニーがもっともアピールしている認知特性プロセッサー「XR」搭載モデルですので、画質も素晴らしいです。
何がお買い得のポイントなのかと言うと、直下型LED部分駆動を採用している点です。
現在、ハイエンドモデルの液晶テレビはミニLEDバックライトが主流です。もちろんミニLEDバックライトを用いた方が高画質・高性能になるのですが、コスト・価格がアップします。
ミニLEDテレビが販売されるようになる前までは、直下型LED部分駆動がハイエンドモデルに搭載されていたわけで、これでもかなり高い画質・性能です。成熟した技術ですね。
テレビの画質の差は画面サイズが大きくなるほど目立つようになります。55インチ程度のサイズであれば、2024年モデルのミニLEDテレビでもハイエンドモデルではなくて2番目のグレードのモデル担っていることが多いです。
つまり、55インチ程度であれば、ミニLEDバックライトと直下型LED部分駆動の差がそれほど大きくないということです。
有機ELテレビが欲しいならば、液晶テレビよりは高くなりますが、A80Lシリーズがおすすめです!2023年モデルの有機ELテレビですので、安くなっています!
パナソニックビエラのおすすめ
パナソニックビエラの2024年モデルである有機ELテレビZ95Aシリーズは、間違いなく素晴らしいテレビですので、予算的に余裕があるならばおすすめします。
しかし、最新のマイクロレンズ有機ELパネルを搭載したモデルですので、さすがに価格が高いです。お買い得なテレビが欲しいならば、1つ下のグレードのZ90Aシリーズがおすすめです。
Z90Aは、マイクロレンズ有機ELパネルの前の世代のDynamicハイコントラスト有機ELディスプレイパネルを搭載したモデルで、かなり高性能です!
十分に満足できる画質・機能でしょう!
ミニLEDテレビについてこちらの記事で紹介しています。
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