ソニー(SONY)とパナソニック(Panasonic)は、いずれも日本を代表するテレビメーカーです。
かつては多くの日本メーカーがテレビを開発・販売していましたが、世界のテレビ市場の競争激化により経営不振に陥り、多くが撤退あるいは海外メーカーに買収されました。
ソニーとパナソニックは、そんな業界で生き残っている貴重な日本メーカーです。「テレビを買うなら日本メーカーがいい!」という方にとっては、最後の砦とも言える貴重な存在です。
*ソニーは、中国のテレビメーカーTCLと合弁会社を設立し、そこにソニーのテレビ事業を移す方向で協議・検討を進めることに基本合意しました(2026年1月20日のソニーによるプレスリリースより)。合弁会社の出資比率はTCL 51%、ソニー49%で、2027年4月に事業開始することが想定されています。「ソニー ブラビア」のブランド名は、存続する見込みです。
「ソニーとパナソニックのテレビのどっちがいいのか?」ということも、結構悩みますね。
どちらも良いテレビですので基本的には好きな方を選べばよいですが、もう少し詳しく理解した上で選びたいという方向けに以下に解説します!
*2026年2月10日時点でおすすめの両社のテレビを1つずつ挙げるとすると、以下の2機種がおすすめです!
ソニーBRAVIA 7(XR70)
パナソニックビエラZ95B
さらに詳しく解説します。
テレビの選び方のポイントについてこちらの記事で紹介しています。

ソニーとパナソニックはどっちがいいテレビなのか?
ソニーとパナソニックは、ブラウン管が主流であった時代からテレビの研究開発・製造・販売を進めてきた歴史あるテレビメーカーです。特にブラウン管が主流の時代には、世界のテレビ市場で存在感がある有力メーカーでした。
その後、ブラウン管のテレビから液晶・有機ELのテレビの時代に移行し、韓国メーカーや中国メーカーが躍進する中でテレビ事業が苦境になり、大規模なリストラを進め、現在に至っています。
これまで継続してテレビの研究開発を続けてきましたので、技術力は高く、両者とも高性能な上位機種が事業の中核になっています。
したがって、ソニーとパナソニックの上位機種は、現在販売されている他社を含めたすべてのテレビの中でも優れたテレビであることは間違いありません。
さらに長年日本のユーザー向けにテレビを開発してきていますので、日本人の好みを熟知した使いやすく便利なテレビを販売しています。
つまり、ソニーとパナソニックの上位機種ならば「良いテレビ」ですので、どちらを選んでも失敗ということはないでしょう。
それでも、当然のことならが両社に違いはありますので、テレビの方式と価格などについてさらに詳しく述べます。
QD-OLEDはソニー!パナソニックはない!
2026年時点で、ディスプレイ業界で注目を集めている最新の方式のパネルは、QD-OLEDパネルです。
これはSamsung Displayが開発し、日本国内ではソニーとシャープに供給しているもので、青色有機ELパネルの前面に赤色・緑色の量子ドットを塗布した構造になっています。
RGBの各サブピクセルにおいて、青色は有機ELの発光をそのまま使い、赤色と緑色は有機ELの青色光を量子ドットで変換して作り出しています。
このようなQD-OLEDの方式による優位性があります。それは従来のカラーフィルター方式の有機ELパネル(WOLED)に比べて高輝度領域での色域が広いことです。
例えばツタンカーメンの黄金のマスクのように、輝くような金属の色などが美しく表現できます。白色ではなく、何らかの色があり、非常に明るいものなどが画面内にあると、従来のWOLEDでは白っぽくなってしまうのに対し、しっかり綺羅びやかな色が表現できるわけです。
また画面の最前面に近いところで各色の光を放射状に出しているため、斜めから見ても色がほとんど変化せず、広色域です。
2026年時点では、パナソニックはQD-OLEDを製品化していません。
したがって、QD-OLED方式の有機ELテレビが欲しければソニーブラビアを選ぶしかありません(*シャープからは発売されています)。
Mini LEDはソニーがリード!パナソニックも追随!
ソニーは、2024年モデルではミニLEDテレビをブラビアのラインアップのフラッグシップモデルBRAVIA 9としました。マスターモニターに近い映像を家庭用のテレビで再現することを目指して開発されたテレビで、ソニーが「自社最高の4Kテレビ」としている超高画質モデルです。
ソニーは、もともとミニLEDバックライトの制御技術で世界をリードしており、これまでの技術の蓄積と業務用のマスターモニターの開発経験を活かして開発していますので、業界でトップレベルの画質と言ってよいでしょう。
2024年モデルとして発売され、2025年には後継機種が発売されていませんので、型落ちではなく最新モデルです。
それだけの技術を投入していますので、価格も最高峰です・・・。
BRAVIA 9からスペックダウンして、もう少し手の届きやすい価格としたのがBRAVIA 7(2024年)です。「ソニーブラビアファンだけれど、さすがにBRAVIA 9は高すぎる」という方には、おすすめモデルです。
パナソニックはソニーに追随して2023年モデルでミニLEDテレビMX950を発売しました。2024年にはW95Aを発売しました。2025年には後継機種W95Bが発売されました。
価格はソニーの方がかなり高いのですが、技術的には先行するソニーの方が定評があります。
パナソニックは有機ELテレビに重点を置いており、ソニーはミニLEDテレビをフラッグシップモデルにしているわけですので、ある意味妥当な評価でしょう。
プライマリーRGBタンデムはパナソニック!ソニーはない!
ソニーがQD-OLEDパネルを搭載した有機ELテレビを発売しているのに対し、パナソニックはプライマリーRGBタンデム有機ELを搭載したテレビをフラッグシップモデルZ95Bとして発売しています。
テレビ用大型有機ELパネルは、LG Displayがほぼ独占的に開発・供給しているもので、パナソニックに限らずソニーも供給を受けています。
LG Displayは、最初の大型テレビ用有機ELディスプレイパネルに続いて、積極的に開発を進めており、振り返ると驚くほど有機ELディスプレイパネルの性能を向上させてきました。
そして2025年モデルのパナソニックビエラの有機ELテレビのフラッグシップモデルZ95Bに搭載されたプライマリーRGBタンデム有機ELは、これまでのLG DisplayのWOLED開発の集大成とも言えるパネルで、RGBの発光層を4層(RBGB)積層した広色域超高性能パネルです。
パナソニックは、これまで搭載してきたカラーフィルター方式の有機ELパネル(WOLED)のある意味「究極」とも言える有機ELディスプレイパネルを選び、フラッグシップモデルに搭載したわけです。
従来のWOLEDに比べると高輝度・高コントラスト、優れた色表現力となっています。
ソニーブラビアにはプライマリーRGBタンデム有機ELパネルを搭載したモデルはありませんので、プライマリーRGBタンデム有機ELパネル搭載のテレビならばパナソニックということになります(*レグザからは発売されています)。
ソニーとパナソニックのテレビの2025年の動向
2022年頃から時代の転換点を感じさせるような大きな出来事があり、世界情勢も激動の状況にあります。本記事で1つ1つの因果関係を詳しく説明することはできませんが、テレビメーカーにも様々な影響を及ぼしています。
以下、2025年のソニーとパナソニックそれぞれについて見てみましょう。
ソニーはTCLと合弁!
ソニーは、前述のQD-OLED搭載有機ELテレビやMini LEDバックライト搭載液晶テレビを開発し、新しいシリーズとして有機ELテレビと液晶テレビのフラッグシップモデルとして発売しました。
これらはそれぞれ有機ELテレビと液晶テレビとしては最高画質レベルの製品に仕上がっていることは間違いありませんが、注目すべきは2023年モデルと比べて大きく値上がりしたことです。
最新の技術が投入されていますので、単純にこれまで販売していたものを値上げしたわけではありません。それ相応の価値が追加されていることは間違いありませんが、それにしてもラインアップのハイエンドモデルを大きく値上げしています。
こんなところにテレビメーカーの厳しい状況が感じられます。テレビメーカーの業界は過当競争で、価格競争に陥りやすいです。そのため、最近は収益悪化に苦しんでおり、テレビの平均販売価格を少しでも高くすることが極めて重要な課題と考えられます。
従来と同じものを単純に値上げすることは難しいために、新たな価値を追加して値上げを試みるという戦略になっているようです。
それでも業界の過当競争&価格競争という構造が簡単に変わるわけでもなく、ソニーの2025年と2024年モデルの価格も発売開始時の価格からかなり下がっています。また価格が上がったため、販売台数は低迷しているようです。
研究開発費を捻出することにも苦労しているようで、各機種を毎年モデルチェンジすることは止め、2〜数年の間隔でモデルチェンジするようになっています。
そして、冒頭で述べた中国テレビメーカーTCLとの合弁発表。合弁会社が本格的に動き出したら、レグザのように研究開発費が潤沢になり、積極的に新製品が開発・発売されるようになることに期待したいです。
パナソニックは価格コントロール!
業界でのパナソニックの置かれている状況はソニーと同様ですが、テレビ事業の状況はソニーよりも厳しいです。前述のQD-OLED搭載有機ELテレビが発売されなかった理由は公表されていませんが、研究開発の縮小されているような印象を受けます。
すでに報道されているように、パナソニックビエラの低価格帯の機種は中国のTCLに委託する方向で進められているようです。つまり、低価格帯の機種の開発からは撤退ということになります。
また一部では液晶テレビの開発からも撤退し、有機ELテレビのみに注力するとも言われていますので、どこまで撤退し、何を継続するのか気になるところです。
また前述のようにソニーがTCLと合弁会社を設立する方向で合意したことが発表されていますので、レグザがハイセンスグループの傘下に入ったことも合わせて考えると、パナソニックが手を組むべきパートナーを見いだしにくくなっています。
もう1つの気になる動きは、テレビの販売価格をコントロールする仕組みに変え始めたことです。
有機ELテレビのいくつかの機種は、家電量販店などである程度の価格で販売されており、パナソニック側の了承なしに値下げできないような契約となっているようです。
すべての販売店で同じようなルールが適用されているのか不明ですが、パナソニックが価格コントロールしている販売店では値下がりせずに販売されています。
これは衝撃です!
テレビは家電量販店で販売される数量が多く、販売店でもライバルとの競争のために値引きする努力をしていました。そのため、発売開始後に価格が下がっていくことが普通です。
その価格動向とまったく異なり、パナソニックの有機ELテレビは価格をパナソニック側がコントロールしているわけです。その価格は、パナソニックのサイトで直接販売している価格に近いです。つまり、完全に定価販売というわけでもなく、わずかな価格を調整する幅はあるようです。
そしてこの販売価格が、ライバルメーカーの値下がり後の価格と比べるとかなり高いです。この戦略転換が、パナソニックのテレビ事業にどのような結果をもたらすのかまだわかりません。
ソニーとパナソニックのテレビのおすすめ!
ソニーブラビアのおすすめ
ソニーブラビアのハイエンドモデルが欲しい場合は、前述のBRAVIA 9(XR90)とA95Lが候補となります。これらは間違いなく高画質・高機能なテレビで、これらを買える予算があるのであればおすすめします。
しかし、一般的な感覚としては「高い(=高額)」ですね。前述のような背景で、フラッグシップモデルとして設定されているので当たり前です。
もし、リーズナブルな価格で高画質・高機能なテレビが欲しいならば、BRAVIA 7(XR70)をおすすめします!
もちろんフラッグシップモデルのBRAVIA 9(XR90)よりもスペックダウンしているのですが、上位機種に相応しい画質です。
それでもレグザなどのライバルメーカーの上位機種と比べると高いと感じる方も少なくないでしょう!ソニーのテレビが欲しいけれど、もう少し安いモデルが欲しいという方にはBRAVIA 5(XR50)がおすすめです!実際のところ、よく売れています!
パナソニックビエラのおすすめ
パナソニックビエラのラインアップを見てみると、多くのレビュアーが指摘しているように有機ELテレビのフラッグシップモデルは素晴らしく、それにくらべるとミニLEDテレビを含む液晶テレビはライバルメーカーの同グレードのテレビと比べると素晴らしいとは言い難いと感じる事が多いです。
パナソニックは、優れた研究開発力と歴史があるテレビメーカーですので、これはテレビ事業の研究開発が不足しているために、注力する機種を絞り込み、それ以外はコストダウンを優先しているように見えます。
そのため、数あるテレビの中からパナソニックビエラを選ぶならば、やはり多くの人が絶賛するフラッグシップモデルの有機ELテレビZ95Bを選びたいです。
「Z95Bが素晴らしいのはわかるけれど、さすがに高すぎる・・・」という方におすすめなのは、Z95Bの前の機種のZ95A!格段に安くなっていますし、現時点でライバルメーカーのモデルと比べても絶賛できる画質です!
十分に満足できる画質・機能でしょう!


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