有機ELテレビと液晶テレビの消費電力比較!電気代が安いのは?

夜景有機ELと液晶

有機ELテレビの価格がかなり下がってきました。まだまだ液晶テレビの価格に比べるとかなり高いですが、手の届く程度の価格になってきましたので、どちらを買うのか比較検討する方も多いでしょう。

ところで有機ELテレビと液晶テレビはどちらが消費電力が高いのでしょうか?テレビは大型化し、一般的には数百Wレベルの消費電力になり、1日に数時間以上使用することが多いので、気になる点でもあります。以下に紹介します。

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有機ELテレビと液晶テレビの消費電力比較!

技術的に有機ELと液晶のどちらが消費電力が高いのかということを比較する場合は、スピーカーやインターネット機能など、ディスプレイそのもの以外の部品を外して、消費電力を測定すべきです。しかし、そのようなデータが公表されていないことと、実際に購入して使用するのはテレビですので、同一メーカーのほぼ同じグレードの有機ELテレビと液晶テレビを比較してみたいと思います。

ソニーの最新の4K有機ELテレビKJ-55A8Hと液晶テレビKJ-55A8Hを見てみましょう。いずれもソニーのハイエンドの55インチのテレビですので、有機ELと液晶というパネルの種類以外のスペックもおおよそ同程度であると言えるでしょう。

【ソニーのテレビの消費電力】

4K有機ELテレビKJ-55A8H  352W
液晶テレビKJ-55A8H 244W

上記のように同じ55インチの4Kテレビなのですが、有機ELテレビの方が液晶テレビの1.4倍以上消費電力が大きいです。いずれも改善されてきているのですが、販売されるテレビの平均的なサイズが大きくなっていますので、実質的な家庭でのテレビの消費電力はあまり下がっていないようです。

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有機ELテレビは液晶テレビよりも低消費電力なのでは?

液晶は、バックライトからの光を、2枚の偏光板とカラーフィルターなどを通過させるために、光の利用効率が低いです。しかし、「有機ELは自発光型ディスプレイなので効率が高い」と聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。

確かに自発光型ディスプレイであれば、それぞれの画素が直接光を発しますので、効率が高いような気がします。なぜ実際の製品では有機ELテレビの方が消費電力が高いのでしょうか?

それは、現在の有機ELテレビは、もともと有機ELの技術者が目指していたような「有機ELの理想形」とは異なる方式であるためです。

有機ELテレビの消費電力が高い理由

まず有機ELでも前面に偏光板が配置されており、有機ELから放出された光の半分がその偏光板(円偏光版)により吸収されてしまいます。これは外部から入射した光が有機ELの基板で強く反射されてしまうため、それによる画質の低下を防ぐために偏光板が必要になるのです。

さらに大型テレビ用の有機ELパネルは、スマホ用の有機ELパネルと異なり、カラーフィルターが組み込まれています。スマホ用の有機ELパネルは、韓国サムスンが大きなシェアを持っており、RGB(赤・緑・青)の画素を蒸着によって塗り分ける方法で作られています。

当初は大型テレビ用有機ELパネルもRGB塗り分け方式での製造が試みられましたが、あまりの技術的な難しさに中止となりました。一方、韓国LGは、RGBを積層し、白色を作り出す方法で大型テレビ用有機ELパネルの製造に成功しました。この方式ではRGBの画素を作り出すためにカラーフィルターが組み込まれます。

RGBの3色の光を混ぜると白色が得られるというのが光の混色の原理です。このようにして作り出した白色からそれぞれの2色を吸収して取り除くと、残った1つの色が見えます。それがカラーフィルターの原理で、RGBのサブピクセルごとにそれぞれの色を通過させるようなフィルターが配置されます。

つまり光エネルギー的には、カラーフィルターで3分の2の光を吸収し、光利用効率は3分の1以下になってしまうわけです。RGB塗り分け方式ではこのカラーフィルターによる損失がありませんので、効率がカラーフィルター方式の3倍にできる可能性があります。しかし、大型有機ELテレビはカラーフィルター方式しか製品化されていません。


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将来は有機ELテレビは液晶テレビよりも低消費電力にならないの?

現在の有機ELテレビは、韓国LGが生産した有機ELパネルをソニーなどのテレビメーカー各社に供給し、大型テレビ用有機ELパネル市場で独占的なシェアを維持しています。そのLGも必死の増産を続けていますが、増加する顧客からの引き合いに応えきれない状況が続いています。

現時点では蒸着によるRGB塗り分け方式で大型有機ELパネルの製造に成功したメーカーはいないようですので、当面はスマホと同じ効率の高い有機ELパネルを搭載した大型有機ELテレビが登場する可能性は低そうです。

1つだけ可能性があるのは、インクジェット方式によるRGB塗り分けで製造された大型テレビ用有機ELパネルです。基本技術はJOLEDが開発済みです。これを大型テレビ用パネルの製造に使いたいメーカーがあれば、技術をライセンスすることを計画しています。現時点でライセンスを受ける企業が現れたという話は聞いていませんが、この方式ならば高効率の有機ELパネルが実現可能です。

新しい方式で有機ELパネルを製造するためには、巨額の投資が必要で、さらに大量生産して売りきらなければなりません。現在の有機ELテレビの価格が下るほど新しい方式での参入が難しくなると予想されます。

まとめ

有機ELテレビと液晶テレビの消費電力の比較を行いました。さらに有機ELテレビの消費電力が高い理由について解説しました。

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