有機ELと液晶の違いは?テレビとスマホの構造と画質・スペックを比較!

夜景NY有機ELと液晶

テレビとスマホでは、有機ELと液晶の両方が使われています。液晶がかなり安くなったのに対し、有機ELはまだ製品が登場してから歴史が浅いためか、高価です。

有機ELと液晶の違いは何でしょうか?大まかな構造の違いから知っておくと、長所・短所も理解しやすいです。以下に紹介します。

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有機ELと液晶の違いは?

まず液晶ディスプレイと有機ELディスプレイの構造について簡単に解説します。

液晶ディスプレイ

代表的な液晶ディスプレイは、液晶パネルを背面からバックライトと呼ばれる面状の光源で照らす構造になっています。液晶パネルは、2枚のガラス基板の間に液晶と呼ばれる種類の有機化合物を封入し、ガラス基板の両外側にそれぞれ偏光板を貼り付けた構造になっています。

液晶パネルに電圧をかけ、中に封入した液晶分子を動かすことにより、そこを通過する光の偏光状態を制御し、画素ごとに光量を調節、ON/OFFするという仕組みになっています。液晶パネルそのものが発光しているわけでなく、背後に設置したバックライトからの光の透過率を調節する役割を果たしているだけであるため、「非発光型ディスプレイ」と呼ばれています。

有機ELディスプレイ

有機ELディスプレイは、有機化合物の発光材料を電極で挟んだ構造になっています。この発光材料に電流を流すと発光する現象である「エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence: EL)」を利用し、発光材料が有機化合物であることから「有機EL」と呼ばれています。

ちなみに有機ELの英語の略称は「OLED」で、これは有機化合物の発光ダイオード「Organic Light Emitting Diode: OLED」からきています。有機ELテレビの売り場などではOLEDと書かれていることもあります。

有機ELディスプレイは、このように画素ごとに自ら発光するため、「自発光型ディスプレイ」と呼ばれています。

液晶ディスプレイと有機ELディスプレイの構造上の違いは、細かい点を挙げればもっといろいろとありますが、まずはここで紹介した内容を理解しておけばかなり役立つでしょう。

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有機ELと液晶の比較!長所と短所は?

液晶ディスプレイと有機ELディスプレイを比較し、その長所と短所を解説します。

液晶ディスプレイ

液晶ディスプレイのバックライトにはLEDが光源として使用されています。LEDは高効率・長寿命・高輝度ですので、液晶ディスプレイにもその長所があります。有機ELディスプレイに比べ消費電力は低く、ディスプレイパネルそのものは長寿命です。特に最大輝度が高く、メリハリのある映像の表示が得意です。

液晶パネルの構造上、斜めから観た時の画質の低下が指摘されています。これも位相差フィルムなどの活用により、かなり改善されています。またバックライトからの光を液晶パネルでON/OFFするという仕組みのため、黒の表示が苦手です。真っ黒を表示するにはバックライトからの光を完全に遮断できればよいのですが、光が漏れてきてしまうためグレーになってしまうためです。

これもバックライトを部分的に消灯することができる「ローカルディミング」という技術を組み合わせることにより、大幅に改善されていますが、各画素よりも広い面積での部分消灯なので、有機ELのような完全な黒を画素ごとに表示するのは困難です。

液晶テレビの価格はかなり安くなり、55インチ以上の大型テレビでも10万円以下の製品があります。

有機ELディスプレイ

有機ELディスプレイは、自発光ディスプレイですので、画素を消灯すれば真っ黒を表示することができます。ディスプレイの重要な画質であるコントラストは、「コントラスト=最大輝度/最小輝度」であるため、最小輝度は非常に小さくすることができ、高いコントラスト実現できます。

「黒を黒らしく表示する」と言われてもピンとこないかもしれませんが、映像の中で真っ黒や暗い部分が多いものを観ていみるとその価値がよくわかります。黒が黒らしく表示できると非常に締まった感じの映像になるのですが、黒がグレーになってしまうとメリハリが無くなってきます。映画などの黒が多い映像ほどその違いは明らかです。

画素そのものが発光するため、斜めから観ても画質が高いです。バックライトが必要ないため、折り曲げられるものも開発されていますし、画面の周辺部分も狭くできます。

発光材料に電流を流して発光させる仕組みであるため、発光させるほど少しずつ劣化していきます。これは自発光型ディスプレイの宿命で、以前使われていたブラウン管ディスプレイと同じです。また同じ画面を長時間表示し続けると「焼付き」が起こりやすいです。

有機ELテレビの価格は急速に下がっていますが、液晶テレビに比べるとかなり高いです。


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有機ELテレビと液晶テレビの比較

有機ELテレビと液晶テレビを比較すると、前述したような画質の違いがあります。それぞれ長所だけでなく短所もあるのですが、短所を改善する努力も進められており、致命的なほどの問題ではなくなってきています。

液晶テレビは価格競争が激しく、機能・性能を割り切った安価なモデルと、現状で使える機能を盛り込んだ高性能モデルに2極化しています。一般の人でも、家電量販店で低価格帯モデルとハイエンドモデルを見比べてみれば、画質の違いがすぐに分かる程度の差があります。

それでも低価格帯の液晶テレビで十分という方はかなり安いモデルがあります。やはり、画質が良い方がよいという方はハイエンドモデルをおすすめしますが、それでも10万円台で購入できるものがほとんどです。本当に安くなりました。

有機ELテレビは、各メーカーがハイエンドモデルとしてラインアップしていますので、機能・画質を割り切った低価格モデルは見当たりません。ただし、メーカー間の画質の差はありますので、比較して選んだ方がよいでしょう。急速に低価格化していますが、液晶テレビに比べればかなり高いです。

有機ELテレビと液晶テレビのどっちがいいかについてこちらの記事で紹介されています。

現在販売されている有機ELテレビと液晶テレビは、案外消費電力に違いがあります。テレビを見る時間が長くなるほど、電気代に差が出てきます。
有機ELテレビと液晶テレビの消費電力についてこちらの記事で紹介しています。

有機ELスマホと液晶スマホの比較

スマホではサムスンのGalaxyがかなり前から有機ELパネルを搭載していました。AppleがiPhone Xに有機ELパネルを搭載してから、急速に各スマホメーカーが有機ELパネルをハイエンドスマホに搭載し始めました。

液晶パネルに比べて有機ELパネルが高価であることから、有機ELパネルを搭載するならば高く売らなければ利益が出せないため、ハイエンドスマホに搭載されています。画質は黒が黒らしく表示できるという特性ので素晴らしいですが、どちらかというと屋外で使用することが多いため、外光が画面に映り込むことが多く、これまでのIPS液晶のスマホが著しく劣るというほど悪くは感じません。

有機ELパネルは、映像を表示する領域の周辺部分を狭くし、さらに長方形以外の形状にすることも対応しやすいため、その特徴を活かしたスマホのデザインが特徴になりつつあります。さらに画面ごと折りたたみができる有機ELパネル搭載のスマホもサムスンなどから発売されています。ここまで来ると液晶パネルでは真似のできない領域に入ったという感じがします。

iPhoneは価格が高くなり過ぎ、販売が低迷したこともあり、iPhone SEのような廉価モデルに力を入れる動きもあります。またスマホの面全体が画面になるような先進的なデザインよりも、以前のホームボタンがある方が使いやすくて好きというユーザーもいますので、液晶パネル搭載の低価格モデルの重要性も見逃せません。

有機ELパネルの量産が進んでいけば価格は下ると予想されますので、低価格化が進むほど普及率が上がる可能性が高いです。

まとめ

有機ELディスプレイと液晶ディスプレイの違いを解説し、それに由来する有機ELテレビと液晶テレビの比較、および有機ELスマホと液晶スマホの比較について紹介しました。

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