高画質の4Kテレビが売れています。大画面で4Kの解像度で美しい映像を楽しめます。
4K放送や4Kブルーレイ(Ultra HDブルーレイ)などの4Kのコンテンツはありますが、それらはあまり普及してなく、地デジ放送などのハイビジョン画質のコンテンツを4Kテレビで視聴する機会が多いです。
そんな時に4Kテレビの画面に映すために、ハイビジョンから4Kに変換する機能がアップコンバートです。
「4Kへのアップコンバートは意味ない!」という意見もよく耳にしますが、それは4Kへアップコンバートされた映像があまり綺麗に見えないこともあるためです。特に地デジ放送を4Kテレビで綺麗に観たい方にとっては重要です。
4Kへのアップコンバート機能はまだ発展途上の技術で、メーカーや機種による差が大きいです。見比べてみれば、ハイエンドの機種の方がアップコンバートの性能も優れていることがわかるでしょう。実際に見比べてみることをオススメします!
以下に解説します。
*地デジが綺麗に観られるテレビは、こちらのSONY BRAVIA XRJ-50X90Jです。
4Kアップコンバートは意味ない?効果は?
ほとんどの人が、地デジ放送などの4K(3840×2160)未満のコンテンツを4Kテレビで視聴しています。
例えば、地上デジタル放送が1440×1080、NHK BSプレミアムやブルーレイが1920×1080のフルハイビジョンで、これらを4Kテレビに映す時に4Kの解像度に増やしているわけです。この機能がアップコンバートです(アップスケーリングとも呼ばれています)。
このアップコンバート機能が無ければ4Kの画素数をフルに活かせませんので、4Kテレビを楽しむためのもっとも重要な機能と言えるでしょう。
「液晶テレビは技術が成熟して価格競争になっている」と言われることがありますが、液晶テレビの性能の中でこのアップコンバート機能がメーカー・機種による差がまだ大きいです。普段、地デジ放送などを見る機会が多い方は、このアップコンバート機能で4Kテレビを選んでもよいでしょう。
4kテレビで地デジがぼやける?
「4Kテレビで地上波デジタル放送を映すとぼやける」「4Kアップコンバートは意味ない」というコメントも聞きます。
現状ではメーカーや機種による差が大きいので、もしかしたらあまりレベルの高くない4Kアップコンバート機能の機種で見てみたのかもしれません。
確かにアップコンバート機能のレベルが低い機種で見ると、映像がぼやけて見えたり、ノイズが気になることがあります。特に大画面になるほど画素の粗さが目立ちやすいので、アップコンバート機能の差もわかりやすくなります。
まずはソニーのハイエンドモデルなどの4Kテレビでチェックしてみましょう。
4Kアップコンバート以外に倍速機能も重要
地デジの映像を4Kにアップコンバートとして4Kテレビで見る時に、映像が美しく見えるかどうかはアップコンバート機能だけの問題でもありません。
プロはアップコンバート機能の影響を正確に分析できるかもしれませんが、一般の人がテレビを見た時にはいろいろな性能の総合的な結果として映像を見ています。
具体的にはまず倍速機能の影響があります。通常は60Hzのフレームレートなのですが、ハイエンドモデルではこれを倍速の120Hzにしています。
倍速機能が無いテレビでは60Hzなので、動きの激しい映像では動きがカクカクしたり、カメラをパンした時などに映像がザラついた感じがすることがあります。これはアップコンバート機能の影響ではないのですが、明確に分析することは難しいです。
さらに倍速機能の性能が機種によって差があるので、その差の議論となると複雑です。いずれにしても各社のハイエンドモデルならば高性能の倍速機能が付いていますので、まずはそれを自分の目で確かめてみましょう。
地デジが綺麗な4Kテレビは?アップコンバート比較!
最近は液晶テレビと有機ELテレビの価格も下がり、メーカーが力を入れるテレビのサイズも大型化しているため、アップコンバートの機能の差が目立ちます。しかし、最近の数年間を見ても各社開発に力を入れ、性能が上がっているため、以前に比べれば「高いレベルでの競争」になっています。
つまり、数年前に比べるといずれも性能が向上し、まだ改善が続いていますので、型落ちや中古のテレビよりは断然最新型のテレビが優れています。
またこのアップコンバートを行うのは、テレビに搭載されている映像処理エンジンなどと呼ばれるプロセッサーです。新しいテレビが発売されている時に新型の高性能プロセッサーが搭載される時は、アップコンバート機能が大幅に向上することが多いのでよく観てみるとよいでしょう。
同一メーカーのテレビのラインアップでも、上位機種と下位機種で搭載されているプロセッサーが異なることがあります。この場合は上位機種と下位機種とのアップコンバートの差は大きい可能性がありますので、できるだけ上のグレードのプロセッサーを搭載したものをおすすめします。
メーカー間の差は好みの問題も入りますので、あくまでも私見ということで記します。解像度を高めるアップコンバート機能を使った時に、解像度を高めた映像そのものがきれいに見えるかということと、アップコンバート処理によって発生するノイズなどに差があります。
以前から評価が高いのが東芝REGZAのアップコンバート機能です。かつては「超解像」などという言葉が有名になりましたが、その流れを継いでさらに進化しています。
SONYのブラビアのアップコンバート機能も定評があります。最近は新型高性能プロセッサーの搭載により、特にアップコンバート機能がレベルアップした印象を受けます。
地デジを4kにアップコンバートしてチェックする
これらはどうしても好みということもありますので、実際にテレビの映像を観て比較することをおすすめします。その際は地デジ放送の同じ画面を写してもらうとよいでしょう。上記のコメントにかかわらず、自分が良いと感じるものを選ぶのがポイントです。
4Kアップコンバートの比較!テレビとレコーダーのどっち?
悩ましいのは、4Kテレビにブルーレイ・ハードディスクレコーダーを接続して視聴する時です。最近の4Kテレビとブルーレイ・ハードディスクレコーダーには、どちらにもアップコンバート機能が付いていることが多いです。そうするとどちらでアップコンバートするのが良いのか悩みますね。
これは案外難しい問題で、結論から言うと使用する機種の組み合わせにもよります。それぞれの設定を試してみて、その中からもっともきれいに見える設定を選ぶ方法が確実です。
具体的には、「テレビでアップコンバートする」と「ブルーレイ・ハードディスクレコーダーでアップコンバートする」です。SONY製品同士の場合、テレビできれいにアップコンバートできるようにブルーレイ・ハードディスクレコーダー側で信号を調整する(*アップコンバートするわけではない)機能がありますので、該当機種であればその設定がベストになる可能性が高いです。
最初に機器を接続して設定する時に、面倒でもそれぞれのアップコンバート機能を確認するようにすると、その後、もっともきれいな画質で楽しめます!
アップスケーリングとアップコンバートの違い
「アップスケーリング」とは、低解像度の映像をより高解像度の映像に変換することを意味します。
例えば、4Kの解像度はフルハイビジョン(フルHD)の解像度の4倍で、フルHDの各画素を4つに増やせば4Kの解像度となり、これをアップスケーリングと呼びます。
アップスケーリングを使えば、フルHD映像を4Kテレビの画面に表示することができますが、もともとの映像の各画素を4つに増やしただけでは単純に映像が引き伸ばされただけとなり、画像が荒く見えてしまいます。
したがって、現在の高画質4Kテレビでは、単純にフルHDの画素を4倍にするだけでなく、もともとのフルHD映像の隣り合う各画素の情報からそれらの間に追加で形成する画素の映像を補完技術などを用いて作製します。
このように単純に解像度を増やすだけでなく、補完技術などを駆使してより高画質の高解像度画像を作ることをアップコンバートと呼んでいます。
まとめ
4Kテレビとブルーレイ・ハードディスクレコーダーのアップコンバートなどについて解説しました。最後は自分の眼で確認することが大切です。
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