有機ELテレビがメーカー各社のハイエンドモデルとしてラインアップされるようになり、価格も年々下がって来ましたので、販売台数も伸びています。有機ELテレビの画質は素晴らしいですね。
それでも「映り込みで疲れる」、「地デジが綺麗ではない」などの有機ELテレビについての不満が聞かれます。
有機ELテレビは、真っ黒や暗い映像をしっかり表示できる点が長所ですが、画面が暗くなるほど映り込みの影響が大きくなり、目が疲れやすくなりますので、対策が重要となります。
できるだけ反射防止処理の品質の高いもの(=低反射有機ELパネル、低映り込み有機ELパネル)を選ぶようにして、それでも映り込みが気になる場合は、使い方で解決しましょう!
また4Kテレビで地デジを綺麗に表示するためのアップコンバート機能も重要で、メーカーや機種による差があります。
2022年モデルの有機EL(OLED)テレビの中でもっとも注目を集めているのは、SONY BRAVIAのA95Kシリーズです!
QD-OLEDという新しい方式の有機ELパネルを搭載し、BRAVIAの有機ELテレビのラインアップの最高峰に位置付けられています。新しい方式なので、一度は販売サイトでの説明を見てみると良いでしょう!以下のAmazonのリンクから見られます。
A95Kシリーズが素晴らしいテレビであることは間違いないのですが、高価すぎて無理という方は、2022年モデルが型落ちで激安になっているのでオススメです!
2022年モデルの有機ELテレビの「SONY BRAVIA XRJ-55A80K」が激安です!アップコンバート機能のレベルも高いです!
さらに詳しく解説します!
*有機ELテレビのデメリットについてこちらの記事で紹介しています。
有機ELテレビは映り込みで目が疲れる?防止するには?
「有機ELテレビは映り込みが激しく目が疲れる」という感想を聞くことがあります。本当でしょうか?
有機ELテレビの反射防止!映り込みの少ない機種は?
映り込みとは、照明などの外光がテレビの画面に鏡のように反射して、見えてしまう現象のことです。鏡のように反射したものがくっきり見えることもありますし、滲んで見えることもあります。
これは画面に外光が反射するわけですので、画面の反射防止処理によって映り込みをある程度抑えることができます。しかし、現在の技術でトップレベルの反射防止処理を施しても、反射率がゼロになることはなく、画面に対して正面方向(0度)で0.2%程度以上の反射率があります。
反射率は、画面に対して斜め方向に角度が大きくなるほど高くなり、45度付近で1.2%以上、60度付近で3.8%以上、70度付近で9%以上に達することが普通です。
低価格のテレビでは、コスト低減のために反射防止処理の性能を落としてもっと高い反射率になることが多いです。
この反射防止処理の差は、ハイエンドの液晶テレビと10万円以下の液晶テレビを比較してみるとよくわかります。有機ELテレビの場合は、ほとんどがハイエンドのテレビなので、反射防止処理の性能がそれほど低いとは考え難いです。
つまり、画面で反射する光量はハイエンドの液晶と同レベル以下なのに、黒を真っ黒に表示できる特性のために、比較的映り込みが目立ちやすいと考えられます。
そのため有機ELテレビ用に反射防止の研究開発が進められていますが、技術的には成熟しており、現状のレベルから格段に進歩する期待はあまりない状況です。
技術的に分類すると、多層膜を形成するAR処理(アンチリフレクションコーティング)とすりガラスのようにしてギラツキを防止するAG処理(アンチグレアコーティング。ノングレアとも呼ばれる)があり、それぞれコスト等の都合から製品レベルでは性能の限界に近いです。
最近は「低反射有機ELパネル」などというものも登場していますが、基本的にはAR処理をベースにAG処理を少し組み合わせるようなもののようです(*詳細は公開されていませんので未確認です)。これは画面の映り込みをよく見た時に、映り込んだ蛍光灯などの像が少しぼやけるようであればAG処理が組み合わされていることがわかります。
家電量販店のテレビ売り場で、実物の画面の映り込みを機種ごとに比較してみると良いでしょう。各社のハイエンドの機種であれば、それほど大きな違いはないはずです。
映画のような暗い画面が多い映像ほど有機ELテレビのメリットが際立つのですが、そのようなシーンほど映り込みも目立つようになり、目が疲れる可能性があります。しかし、多くの地デジ放送番組などは、真っ暗を表示するような映像はより少ないと考えられ、映り込みは目立たなくなるでしょう。
低反射有機ELパネル搭載機種
前述のように、各社のハイエンドの有機ELテレビであれば、かなり低反射率となるような表面処理が施されており、それほど大きな差は無いと考えられます。それでもあえて「低反射有機ELパネル」とアピールしている機種ならば、トップレベルの低反射率で映り込みも少ないでしょう。
そんな「低反射有機ELパネル」をアピールしている機種を紹介します!東芝レグザのX8900Lシリーズです!
LG低映り込みモデル!OLED48A2PJA!
LGの有機ELテレビA2シリーズは、2022年モデルのLGの有機ELテレビのラインアップの中でもっとも安いモデルで、Amazon限定で販売されています。
このモデルのAmazonの販売ページには「低映り込みモデル」と紹介されています。残念ながらそれ以上の説明が無く、LGの公式ページには「低映り込みモデル」という記載もありません。
LG 48型 4Kチューナー内蔵 有機EL テレビ OLED48A2PJA Alexa 搭載 2022 年モデル 黒
しかし、A2シリーズは低価格化を狙った機種ですので、有機ELとしての基本スペックを満たして激安で販売されています。映り込みも極端に悪いわけではなく、良好です。
リフレッシュレートは60Hzで、倍速機能は付いていませんので、画質を重視するならば以下のC2などの上位のモデルをおすすめします!
有機ELテレビは映り込み対策が重要!
有機ELテレビの映り込みが気になる場合は、テレビと窓や照明等との位置関係を調節すると良いでしょう。
映り込みは、前述のように外光がテレビの画面に当たって反射することにより起こる現象です。そのため強い外光がテレビの画面に当たりやすい位置に置くと、映り込みが強くなります。
例えば窓から入り込む光が直接テレビの画面に当たるようなレイアウトでは、日中に映り込みが非常に強くなります。
また室内照明を点灯した時に、照明からの光がテレビ画面に当たらないようにすることは難しいのですが、「反射」という現象を考えると「光の入射角と反射角が同じ」(反射の法則)という法則を理解すれば映り込みが少なくなるレイアウトを探すことができます。
どうしても部屋の天井の照明が映り込んで気になる場合は、前述の角度による反射率の違いと反射の法則を考慮して、テレビの画面の高さを自分の目線(例えば椅子に座った状態で視聴するならば、その時の目線)の高さと同じ、あるいはテレビを少し低くすると、天井の照明の映り込みは見えなくなるでしょう。
またテレビの画面をできるだけ正面から見た方が良いのは言うまでもありません。
あまりややこしいことを考えなくても、要するにテレビを鏡の面と考えれば、照明とテレビを視聴する人の目との関係で、反射した照明が目に入りにくいレイアウトにすることでかなり映り込みを防止できます。
有機ELテレビは地デジの画質が低い?
有機ELテレビは液晶テレビに比べて地デジの画質が低いという感想を聞くことがあります。本当でしょうか?
結論から言うと、有機ELと液晶という方式の違いにより地デジの画質に大きな差が出るとは考え難いです。最近は4Kテレビが売れていますが、4Kテレビの場合はハイビジョン画質の映像を4Kのディスプレイに表示することになりますので、メーカーと機種による差が大きくなります。
まずもっとも差が出やすいのはアップコンバートという機能です。これが無い機種では、ハイビジョンの映像を単純に大きな画面に拡大して表示するだけですので、画素が荒くなります。有機ELは55インチ以上の大型テレビであることがほとんどで、このサイズでハイビジョンの精細度ではかなり画素が荒い映像になります。
アップコンバート機能があれば、ハイビジョンの解像度から4Kの解像度に画素数を増やして表示しますので、画素の粗さが目立ちにくくなります。現在販売されている大型の有機ELテレビは、ほとんどが4Kテレビですので、アップコンバート機能が搭載されています。
しかし、このアップコンバート機能を搭載しているテレビでも、メーカーによるアップコンバート機能の実力に案外差があります。画面のきめ細かさやノイズの発生状況に差があり、それが画質の差として感じられます。
ソニーブラビアとレグザは、アップコンバートや様々な高画質化のための画像処理で評価が高いです。
有機ELテレビは残像が目立つ?
方式から考えると、有機ELテレビは自発光型ディスプレイですので、液晶テレビよりも応答速度が速く、動画表示に優れているはずなのですが、あまりそのような優位性が感じられないことがあります。
それはコンテンツの映像信号が60コマ/秒(60p)であるためです。有機ELテレビの場合はほとんど搭載していますが、倍速駆動という機能があると、コマとコマの間に1コマ挿入し、120コマ/秒(120p)で表示します。
もともとの映像信号に無いコマを作り出して挿入するので、少々不思議な感じがしますが、高速の演算処理をしてそのような作業を行っています。それにより滑らかな動画表示が可能です。
この倍速駆動という機能も、メーカーと機種による差が大きく、前述のアップコンバートと合わせて画質に大きな差が生じます。これらに関しては、ソニーと東芝が高い評価を受けていますので、一度家電量販店のテレビ売り場で比較してみるとよいでしょう。その際は、地デジ放送を表示してもらって、複数の機種で比較しましょう。
地デジが綺麗に見られる有機ELテレビ
有機ELテレビで地上波デジタル放送(地デジ)を視聴する場合は、前述のようにアップコンバート機能と倍速駆動機能が重要で、その性能にはメーカーと機種による差が大きいです。
現在販売されている機種の中で、もっとも画質が優れている機種の内の1つがSONY(ソニー)の最新機種A80Lシリーズです。
最新機種A80Lの前のモデルは、2022年モデルのA80Kです。スペックはかなり似ていて、型落ちで価格がかなり下がっているのでおすすめです。
これは長年改良を続けてきたアップコンバート技術と倍速駆動技術だけでなく、その他の複数の技術の集大成です。動画表示で素早く切り替わる映像に対してこれらの技術を駆使するためには、極めて高い処理能力を持つプロセッサー(映像エンジン)が必要となります。
このソニーの最新機種には、高性能のプロセッサーが搭載されています。よく「型落ち」の機種がお買い得という意見も聞きますが、「型落ち(1つ前の機種)」と最新機種でプロセッサーが異なっていて、パワーアップしたプロセッサーが搭載されているならば、断然最新機種をおすすめします。
それほどプロセッサーの改良による画質改善の効果が大きいためです。ソニーの最新機種は本当に魅力的です。
まとめ
有機ELテレビの映り込みと地デジの画質について解説しました。最先端の技術を実際に見て確認しましょう。
コメント